かわいい蝶々
最高に気持ちのい8月のとある午後
ゴキゲンで車を運転。信号待ちをしていた。
誰も渡る人のいない静かな通りで、目の前の横断歩道を
運転席からボーっと眺めていると…ナント!
2頭のつがい(?)の蝶々が
ひら~りひらりと現れ
そして
横断歩道の上を端から端まできち~んと渡っているではないか!
まるで戯れて踊っているかのように
時に前後したり、ふわりと上昇してみせたりしながら
「ま、マジか⁉」
びーっくりしてわが目を疑った。
人間社会のルールを守る蝶々出現か!
信号のないところを勝手に渡る人間も多いこの世の中で
蝶々たちが青信号のタイミングの横断歩道をひらひらと仲良く渡る姿をみて
最初はわたし自身も何が起こっているのか気づかずにいた。
わたしが事の重大さに気が付けたのは
多分この瞬間の青信号を渡っている人間の姿がひとりも無かったせいだろう。
人間社会のルールを人間以外の自然界の存在達がちゃんとリスペクトしてくれているなどと
それまでのわたしはほとんど考えたことなど無かったように思う。
見えないメッセージ
わたしたち人間は基本的にはみんな優しい気遣いのできる生き物である。
礼儀正しく振る舞ったり、他人に不快感を抱かせぬよう気遣ったり
お互い道を譲り合ったり助け合ったり。
人間同士に対するリスペクトやマナーには非常に細やかに気を遣う。
人間に限らず大好きなペットや自分にとって大切なものにもたくさんの愛情を注ぐ。
しかし自分の意識の届くテリトリー外の物事には意外に無頓着であったり
ある意味冷淡にもなったりしていないだろうか?
来る日も来る日も必ず登ってきて明るく照らしてくれる太陽の光と暖かさ
色んな形に姿を変えてメッセージを送ってくれる雲
大地を潤し収穫をもたらしてくれる恵みの雨
一瞬で心の中のモヤモヤを吹き飛ばしてくれるような爽やかで優しい風
せっせと飛び回り花の蜜を集め木の実をもたらしたり色んな味の蜂蜜を作ったりするミツバチ
何十年何百年と大地に根を張りわたしたちの生命に不可欠な酸素をもたらしてくれる植物
ときに華やかにときに清らかにひそやかに花を咲かせ、その姿と香りで喜びと癒しをもたらしてくれる花々
わたしたちには聞こえない話をみんなでしているのかもしれない。
海も空も山も石ころも大地も動物も、人間以外のありとあらゆる存在たちに
感情が無いなどと言い切れるだろうか?
わたしたちに伝えたいことが無いと言い切れるだろうか?
8月のあの日に出会った蝶々が
わたしに何かとても大切なことを教えてくれた気がした。
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